小唄徒然草 25

今回は古曲なので、作者不詳です。

十、夕立や (本調子)

 
夕立や さっと 吹きくる
闇のうち ピカッ ピカッ
オォ怖 雷さんは 怖けれど
わたしがためには 出雲から
結んだ 縁の 蚊帳のうち
憎や 晴れゆく 夏の空

解説

夕立・雷・蚊帳 と文句が揃って縁結びとなり、江戸時代の、男女関係の常套手段である。

・ここは住吉(本調子)

ここは住吉 暑さを 
白帆じゃ ないかいな
岸の 姫松 
ありゃ 神 いさめ
いっそ 音頭が
よいさ! よいさ!
アレワノサ エーヤァトコセ

解説

文献をいろいろ調べたのですがわかりませんでした

十一、晩に忍はば (二上り)

 
晩に忍はば 背戸屋の小窓
打つや 砧の 浮拍子
様が来たかと窓から見れば
様はさまじゃが お月様
しょんがえ

解説

今晩私の家に忍んで来るなら背戸(裏口のこと)の方から、お入りください。
私は砧を打っているからその砧の音を聞いてくださいと約束をして待っていたそのうちに、窓の外で、何か音がしたので、来たのかな?と窓から見たらまだ、待ち人は来ないで、月が差し込んで照らしていたという風勢の小唄。
砧(きぬた)とは
洗濯した布を生乾きの状態で台にのせ、棒や槌でたたいて柔らかくしたり、皺をのばすための道具。これから好きな人が来るので、その時出るおとも嬉しくて浮拍子になる

・わしに逢いたくば (二上り)

妾(わし)に逢いたくばなァ
裏の三尺小窓の間(あいだ)よりより
小石混りの 荒砂を持って来て
ぱらりぱららっと
撒かしゃんせ

解説

母親の目を盗んで、男と会いたい一心の若い娘が、恋しい男に、夜忍んで来る合図に寝室の三尺小窓の間から、小砂利まじりの荒砂を撒いてください。という夜這い合図の小唄