小唄徒然草 23

春日とよ家元若かりし頃(40歳代~50歳代)の(コロムビア専属)小唄シリーズ第2弾の配信です。

春日とよ家元(1881年-1962年)略歴

春日派創流  
1928年 昭和 3年  とよ師 47歳(コロムビア専属)
1940年 昭和15年  とよ師 59歳(コロムビア専属) 

小唄界初の紫綬褒章を授与
1960年 昭和35年 とよ師  79歳(ビクターレコード専属)

財団法人春日会 設立・発足
1961年 昭和36年  とよ師 80歳(ビクターレコード専属)


五、雪の朝(あした) (本調子)

 
雪の あしたの 朝ぼらけ
浪花の 浦の 眞帆 片帆
行き来の 船で 便りする
わたしゃ こうして
いるわいな

・雲にかけ橋(本調子)

雲にかけ橋 霞に千鳥
およびないとて
惚れまいものか
惚れりゃ 夜も 日も
ないわいな いっそ 頓馬に
なったそうな  ああそうじゃいな

・からくりの (本調子)

からくりの
ぱっと変りし お前のこころ
陰で糸引く 人が ある

六、葉桜や (三下り、替手調子)

 
葉桜や 月も 木の間をちらさらと
たたく水雞(くいな)に さそわれて
ささやく声や 苫の船

八重一重(三下り、替手本調子)

八重一重 山もおぼろに 薄化粧
娘盛りの よい 桜花 
嵐に 散らで 主さんに
逢うて なまなか あと悔む
恥かしいでは ないかいな