小唄徒然草 番外 新派1

「小唄徒然草・別冊 新派」としまして「明治一代女」を題材とした小唄を3曲お届けいたします。

舞台の動画は、40年前に私がビデオを初めて買ったときに録画したNHKの番組です。主役は、初代の水谷八重子・巳之吉は、大矢市次郎。当時の名優たちの舞台です。

小唄になっているところは、巳之吉殺しの場面です

小唄 浜町河岸

作詞:西條八十 / 作曲:中山小十郎.

向うからくる小提灯
夜風に消える命とも
知らぬ箱屋の峰吉が
はっと驚く白刃の光
ほんに思えばあたしほど
この世で不幸なものはない
小さい時から浮川竹の
流れに映る乱れ髪
恋の花井のお梅の眉を
細い柳に偲ばせる
浜町河岸の宵の三日月

小唄 青柳の糸より

作詞:宮川曼魚 / 作曲:吉田草紙庵

青柳の糸より 胸のむすぼれて
もつれてとけぬ 恋のなぞ
三日月ならぬ酔月の
うちの敷居も高くなり
女心のつきつめた
思案のほかの無分別
大川端へ流す浮名へ

小唄 大雪

作詞:花柳章太郎 / 作曲:春日とよ年

大雪や 女の傘の持ち重み
河岸にしだれし枯れ柳
火影ほのめくガス燈火
赤大名に献上の 
あだな潰しのもつれ髪
ほんに辛気な渋蛇の目

秋を題材とした小唄・端唄が恋しくなりました。
15年前、栄芝師匠とレコーディングした秋の小唄。端唄の音源がみつかりましたのでアップしておきます。

小唄 秋の七草

秋の七草 虫の音に
鳴かぬ蛍が 身を焦がす
君を待つ虫 鳴く音に細る
恋という字は 大切な

端唄 館山

浮世離れて 奥山住まい 
恋も悋気も忘れていたが 
鹿の鳴く声 聞けば 昔が恋しゅうてならぬ 
あの山超えて 逢いに来る

端唄 萩桔梗

萩桔梗 中に玉章(たまずさ)
忍ばせて 月に野末に 草の露
君を松虫 夜毎にすだく 
更けゆく鐘に 雁の声
恋はこうしたものかいな

波の瀬に 月は今宵も 
影差せど 届く瀬のなき わが思い
あだし 仇波 寄せては返す 
夢見る暇も 涙ぐむ
辛い浮世じゃ ないかいな

小唄 二人が仲

二人が仲をお月様 
それとすいなる朧影
吸いつけ煙草の火あかりに 
話も更けてぞっと身に
夜寒の風にしみじみと
じれったい夜も口の内