小唄徒然草7帖
先日の、中秋の名月・・・素敵でしたね。
秋を題材とした小唄・端唄が恋しくなりました。
15年前、栄芝師匠とレコーディングした秋の小唄。端唄の音源がみつかりましたのでお送りいたします。
小唄 虫の音
虫の音を 止めて嬉しき庭伝い
開くる柴折戸 桐一葉
ええ 憎らしい秋の空
月はしょんぼり 雲隠れ。
小唄 秋の七草
秋の七草 虫の音に
鳴かぬ蛍が 身を焦がす
君を待つ虫 鳴く音に細る
恋という字は 大切な
端唄 館山
浮世離れて 奥山住まい
恋も悋気も忘れていたが
鹿の鳴く声 聞けば 昔が恋しゅうてならぬ
あの山超えて 逢いに来る
端唄 萩桔梗
萩桔梗 中に玉章(たまずさ)
忍ばせて 月に野末に 草の露
君を松虫 夜毎にすだく
更けゆく鐘に 雁の声
恋はこうしたものかいな
波の瀬に 月は今宵も
影差せど 届く瀬のなき わが思い
あだし 仇波 寄せては返す
夢見る暇も 涙ぐむ
辛い浮世じゃ ないかいな
小唄 二人が仲
二人が仲をお月様
それとすいなる朧影
吸いつけ煙草の火あかりに
話も更けてぞっと身に
夜寒の風にしみじみと
じれったい夜も口の内