小唄徒然草 番外編

山田五十鈴さんの舞台「たぬき」で三味線と唄を、弾き唄いで演奏している舞台の実況録音音源が見つかりましたので、お届けいたします。

前に配信した、小唄春日派に在籍中の山田五十鈴さんの小唄は、
小唄徒然草11 https://fukumura.com/blog/1525/ でお聴きください。

浮世節二題

1、浮世節「たぬき」
2、吹き寄せ「ほこりたたき」

東宝現代劇 特別公演 「たぬき」(榎本滋民 作・演出)より
昭和50年(1975年)11月18日 東京芸術座実況録音

浮世節「たぬき」

唄と三味線 山田五十鈴
〈本調子〉 

<歌詞>
それ
伝へ聞く 茂林寺の 
分福茶釜の その由来 

あやしくもまた 面白き 
昔々そのむかし 婆くった爺の狸汁 
縁の下屋の骨までも
 
広尾の原の狸そば のびた鼻毛の頬かむり 
狸長家の オオそそり節 

可愛いいお方に、みの傘着せて 葉から流れりゃ 何隠すぞえ

「火の用心 さっしゃりやしょう」
「オヤオヤ源はん この頃はちっとも来ておくれでないが
どこかに、穴っでも出来たのかえ」
「コーコーよしてくれ、よしてくれ、まだ背中のやけどが なおらねぇ」

お気の毒 そこに狸の はんのんこう 
呑んで くだまきゃ ウ~ィ

なうまくさまんだばさらんだ 

狸にござるは、法印(ほういん)さ 

自体われらは都のうまれ 月に浮かれて 腹鼓 

打つやうつつの夢の世を 
狸寝入りかア あら不思議や 忽ち広がる

八畳敷を櫓にかけし 茶釜しっぽをオヤオヤオヤ ふりたてて

狸ばやしの音につれて

〈二上り〉
 
或はかるわざ 綱わたりジャァ~ィ 

さて さて さてさて 此度の お目にかけます かるわざは 
綱の半ばへ 大きな狸と 小さな狸をひっかけ 
これを名付けて、邯鄲(か・ん・た・ん)狸の 夢の枕じゃ

おもしろ狸の角兵衛獅子 面白やぁ

神変不思議の有様は 
治まる御代のはなしぐさ 今に伝えて残こしける。

吹き寄せ「ほこりたたき」

 

音曲吹き寄せ「ほこりたたき」は、清元・端唄・俗曲・地唄・新内・義太夫・など日本の音曲のさわりだけを集めて、初代立花家橘之助が一つの曲の様に仕上げたものですが、私が所持していた歌詞ノートが家じゅう、どこを探してもみつかりませんでしたので、歌詞をご存じの方[ フォーム ]でお教えいただければ幸甚です。