小唄徒然草 33 芝洲好みの小唄 パート4

11、お 染(よしない・言いたいことも 含む)

豊泉増造・木村 富子 詞  春日 とよ 曲
本調子

恋の緋鹿子 お染の帯が 船にしだれて物思い
よしない わしゆえ お光っぁんの 縁を切らした おにくしみ
堪忍して~ェ くだしゃんせ
土手にゃ久松 籠の鳥 逢いたさ見たさの山川を さっと ひと刷毛
夕霞 言いたいことも 逢いたさも 目と目にこもる 千万無量

12、花の明け暮れ

本調子

花の明け暮れ 光氏が恋の遊びや酒の酔い 春は朧の盃に
明ける間、早き なつの夢 秋は鈴ふる 鈴虫に あなた
待つ虫 寝待ちも 良かろう お風邪めすなと 小夜衣
かけておさえて 冬の夜は 更け行く庭の 雪じょうろう

13、雨やどり

三下り

つくり話に夢を見て 明日まかせの 明け暮れが
くらし上手にさせました すすき おばなが 
招いた雨は ひんやり ほのかに 切なくて 
肩よせあって 雨やどり

14、暁の鐘

三下り

暁の 鐘が鳴ります 浅草寺 名残惜しいを 通り越し 
恨めしいぞえ むごいぞえ 鐘が鳴らずば 夜は明けまいに 
せっかく咲いた すががきの 花のはかなさ 知りながら 
尽きぬ別れを えぇ なんとしょう 離れともない 二人の胸の 
未練が二つ重なって お門違いの恨みまで 言うてみとおも 
なるわいな